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葛城めぐり4 ~風の森神社~

奈良

風の森神社

高鴨(たかがも)神社から
葛城川(かつらぎがわ)をわたって

600メートルほど南東にゆくと
風の森(かぜのもり)神社
があります。

ちいさな祠が祀られる
ひっそりとした神社ですが

ここは、
高鴨神社と一対の神社
だといいます。

風の森峠

風の森神社は
風の森峠(かぜのもりとうげ)
という峠の頂上にあるそうです。

奈良盆地(ならぼんち)
紀ノ川(きのかわ)をむすぶ
交通の要衝であるだけでなく

この峠を境に

葛城川より北は
大和川をへて
大阪湾にいたり

葛城川より南は
紀ノ川をへて
和歌浦にいたることから

水運としても重要な地
であるようです。

観音寺

風の森神社の場所はすこし
わかりにくいかもしれません。

民家や公民館にもみえる
観音寺(かんのんじ)
へとつづく石段をのぼって

お堂のよこからさらに
小高い丘のうえへとつづく
階段をのぼってゆきます。

かつては、このお寺も
さかえていたことでしょう。

風の森神社に鳥居がないのは
観音寺の境内だからでしょうか?

神仏習合のなごりが
あるのかもしれません。

葛城古道

御所(ごせ)駅のあたりから
風の森峠をむすぶ古道を

葛城古道(かつらぎこどう)
というそうです。

日本を代表する古道のひとつ
といわれるらしく

およそ13キロほどの
道のりだといいます。

三輪山(みわやま)から
奈良市街へとつづく

山の辺の道(やまのべのみち)
にもたとえられて

西の山辺の道
ともいわれるようですね。

シナツヒコ

風の森神社は、
志那都比古(しなつひこ)神社
ともいわれたり

風の森坐志那都比古神社
(かぜのもりいますしなつひこじんじゃ)

ともいわれるらしく

風の神・
志那都比古神(しなつひこ)
を祀るといいます。

「風」という自然現象に
霊性みいだして祀るという
精霊信仰なのでしょう。

自然神(しぜんしん)
とされるようですが

ヒコ(彦)とあるように
男神だといわれます。

古事記では
志那都比古神(しなつひこ)

日本書紀では
級長津彦命(しなつひこ)

とあらわされるようです。

男女一対の神ともいわれ
女神のほうは

志那戸辨命(しなとべ)
級長戸辺命(しなとべ)

志那都比売神(しなつひめ)

などといわれるようです。

伊勢神宮(いせじんぐう)では

内宮には
風日祈宮(かざひのみのみや)
があり

外宮には
風宮(かぜのみや)
があり、ともに

風の神・
級長津彦命(しなつひこ)
級長戸辺命(しなとべ)

を祀っているといいます。

伊勢でも祀られるほど
重要な神さまであるようです。

シナトベ

ホツマツタヱには
シナトベ
として登場します。

風の神であり
自然神のようなかた
であるようです。

ホツマツタヱの世界では
5大要素として

空(うつほ)
風(かせ)
火(ほ)
水(みつ)
土(はに)

がありまして

それぞれを
自然神らしきかたが
司るようです。

空は
ウツロヰ

風は
シナトベ

火は
カグツチ

水は
ミツハメ

土は
ハニヤス

というようですね。

原初神・
アメノミオヤ(天御祖神)
は地球をつくるさい

ウツロヰを馬にすると

シナトベを
轡(くつわ)や手綱にした
といいます。

ケガレを吹き払い
清浄な風をあやつる存在
であったようですね。

神風のようなものを
シナトの風
ともいったようです。

水稲栽培

高鴨神社をはじめ
カモ(鴨・賀茂・加茂)氏は

弥生時代から
水稲栽培をおこなっていた
といいます。

御所市では鴨社を
日本の水稲栽培発祥の地
としているようです。

こうした、
水稲栽培の稲の生育や
病害から守るためにも

風が重要だったらしく
風の神が祀られたと
考えられているようです。

おそらく、
風の神が祀られた杜(もり)
から

風の森(かぜのもり)
となったのでしょう。

日本酒「風の森」

油長(ゆうちょう)酒造さんでは
「風の森(かぜのもり)」
という日本酒をつくっています。

風の森神社や風の森峠に
由来する日本酒であり

土地のおいしいお米を
おいしい日本酒にして

地元の人たちにも
味わってもらいたい

というところから
はじまったもそうです。

高鴨神社にも
お神酒として奉納されている
ようですね。

あまりのおいしさに
いまでは全国各地に
ファンがいるようです。

ぼくも
日本酒「風の森」は大好きで
奈良へでかけるとよく

じぶんへのお土産に
買ってかえります。

葛城めぐり5 へ つづく


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