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葛城めぐり11 カモ考

フトマニ図のなかの『カモイト』奈良

カモ考

古代氏族の
カモ(鴨・賀茂・加茂・加毛)氏
について考えてみます。

日本の歴史のなかでも
重要な役割をになってきた
氏族にもかかわらず

中世以降に衰退したため
系図や功績があいまいとなり
謎の氏族といわれています。

カモ氏とは、いったい
どんな方々だったのでしょう?

葛城

奈良県の
御所(ごせ)市は

カモ氏発祥の地
といわれるようです。

ふるくは
葛上郡(かつじょうぐん)
[かつらぎかみのこおり]

とよばれていた
地域にあたるようですね。

御所市の北にある
葛城市・香芝市・大和高田市
のあたりは、かつて

葛下郡(かつげぐん)
[かつらぎしものこおり]

といわれていたらしく

葛上郡・葛下郡をあわせて
葛城(かつらぎ)
といっていたようです。

大和葛城山(やまとかつらぎさん)
の東側の一帯であり

葛城川(かつらぎがわ)
の流域でもあるようです。

そんな、葛城川の上流に
カモ氏はじまりの地とされる
高鴨(たかがも)神社
があります。

高鴨神社の鳥居と狛犬
高鴨神社の鳥居

迦毛之大御神

高鴨神社の祭神は

阿遅志貴高日子根命
(あぢしきたかひこね)


といいます。

またの名を
迦毛之大御神(かものおおみかみ)
といいまして

カモ氏の祖神として
祀られているといいます。

高鴨神社のご由緒
高鴨神社の由緒書

鴨族

高鴨神社によると

鴨氏は
ある種の霊的集団であり
高い技術力を持っていた

といいます。

大和葛城山で培った
天文学や薬学の知識が深く

製鉄・農耕・馬術にも
長けていたそうです。

弥生時代末期には
田に鉄棒を刺して
雷を落とし

土壌を電気分解して
収穫量を上げていた
ともいうようです。

3つの系統

一般的に、
カモ氏というのは

・地祇(ちぎ)系
・天神(てんじん)系
・備前(びぜん)系


の3系統に分かれる
といわれるようです。

地祇系

葛城川の下流にある
鴨都波(かもつば)神社
を創建したとされる

大鴨積命(おおかもづみ)
にはじまる鴨氏を

『地祇系』
というようです。

葛城地方のカモ氏は
これにあたるようですね。

修験道(しゅげんどう)の開祖・
役行者(えんのぎょうじゃ)
[加茂役君(かものえんのきみ)]

も地祇系だそうです。

鴨都波神社の社碑
鴨都波神社の碑

天神系

京都の
賀茂(かも)神社
に奉斎した一族で

賀茂建角身命(かもたけつのみ)
にはじまる賀茂氏を

『天神系』
というようです。

方丈記(ほうじょうき)の
鴨長明(かものちょうめい)や

国学者の
賀茂真淵(かものまぶち)も
天神系だといいます。

備前系

岡山の
児島(こじま)郡を
本拠とするカモ氏は

『備前系』
というようですね。

あぢ

高鴨神社の祭神は
アヂシキタカヒコネ
というのですが

この祭神名の
頭の2文字である
「アヂ」は
「巴鴨(ともえがも)」の古語
なのだそうです。

巴鴨はおいしくて
「味(あじ)」が良いことから

「味鴨(あじがも)」
「䳑(あじ)」などと
いわれていたそうですね。

また、「巴」は
弓矢の「鞆(とも)」や
「勾玉」を図案化したもの
といわれるようですが

水にうかぶ味鴨の姿が
「巴形」にみえたから
つけられたのでしょう。

「あぢ」からとって
「鴨(かも)」となった

のでしょうか?

上下

高鴨神社では、「かも」は
「かみ(神)」の語源にあたり
「かもす(醸)」からきている

といいます。

「鴨(かも)」という
鳥からきているのではない
ということでしょうか?

また、京都の賀茂神社は

賀茂別雷(かもわけいかつち)神社
上賀茂(かみがも)神社

賀茂御祖(かもみおや)神社を
下鴨(しもがも)神社といい

上下(かみしも)の関係
になっています。

奈良葛城の鴨神社は

高鴨神社
上鴨(かみがも)社

鴨都波(かもつば)神社
下鴨(しもがも)社

といってこちらも
上下(かみしも)の関係
になっています。

どうやらこれは
「上下(かも)」をあらわす
のようですね。

鴨都波神社のご由緒
鴨都波神社の由緒書

ソサノヲ系

ホツマツタヱでも
「カモ」にはいくつか
系統があるようです。

第11代・
垂仁(すいにん)天皇より
「オオカモ」を賜った
大鴨積命(おおかもつみ)

いわゆる
『地祇系』鴨氏なのですが

ホツマツタヱでは、天照大神の弟・
ソサノヲ(素戔嗚尊)の血統
にあたります。

海人族系

天照大神の玄孫であり
初代・神武天皇の父にあたる
ウガヤフキアワセズ

諱(いみな・本名)を
カモヒトといいまして

ホツマツタヱでは
賀茂御祖神社(下鴨神社)の
本来の祭神とされています。

産まれるときに
カモ舟という早船に乗っていた
ことが由来らしく

カモ舟にゆかりのある
舟の一族(海人族)
奉斎していたようですね。

これが、いわゆる
『天神系』鴨氏なのでしょう。

かもゐと

アチスキタカヒコネは
ソサノヲの孫ですから
『地祇系』なのでしょうが

大鴨積命とは
時代がはなれすぎています。

『天神系』の
ウガヤフキアワセズよりも
前の時代を生きたかたです。

なぜ、このかたが
迦毛之大御神といわれたり
カモ氏の祖神といわれるのか

それは、ホツマツタヱにのこる
こんな記述がもとになっている
のかもしれません。

このうたは のちのゑにしの
あふうすの かもゐとむすぶ
ひなぶりはこれ

ホツマツタヱ 10アヤ

歌を交わしたことで
縁を結ぶことになった

アチスキタカヒコネと
オクラヒメですが

ここに
『かもゐとむすぶ』
とあります。

これは、親戚同士の縁が
しっかりと編みこまれて

からみあった糸のように
固く結ばれている


ことをいうようです。

アチスキタカヒコネの相関図

ここでいう
「かも」とは

交じりあうこと
男女和合のこと
だけでなく

出雲と朝廷を結ぶ
相反する勢力をむすぶ
という意味もあるようです。

さらに、
深読みをすれば

「カモヰト」を結んだ
という功績から

「カモ」と名のって
ふたりで暮らすようになった

と読むこともできますから

それがこの
葛城の地だった
のかもしれません。

フトマニ

そんなときに、ふと
ヲシテ文字が円盤状にならんでいる
フトマニ図をながめてみると

「カ」「モ」「イ」「ト」が
ならんでいました。

フトマニ図のなかの『カモイト』

しかも、あいだには
「ひなぶり」
「ひ」まではいっています。

フトマニ図では

第2円は「ト」から
左回りに2個とばしで
「トホカミヱヒタメ」とよみ
男性性(天・陽)をあらわし

第3円は「ア」から
右回りに2個とばしで
「アイフヘモヲスシ」とよみ
女性性(地・陰)をあらわします。

つまり、ここでは
「カ」「モ」「イ」「ト」は
男女・天地・陰陽を結んでいる
ことになるようです。

(※原文は「かもゐと」なので
「ゐ」と「い」の違いはあります)

また、
「ヒ」というのは
「日・霊」にも通じていて
神にちかいものでもあります。

さらに、
鳥は天に羽ばたくことから
神にちかい存在ともいうそうです。

なかでも、
鴨は「巴」ともいうように
勾玉にも形が似ていますから

原初神・国常立尊からつづく
トの教えを感じさせるもの
だったのかもしれません。

こうした、
男女の和合
神々の和合をなした
ということから

「カモ」の大御神と
称えられたとすれば

アチスキタカヒコネが
カモ氏の祖神といわれるのも
わかる気がします。

とはいうものの、
アチスキタカヒコネの系譜が
どのようにこの地にのこり

カモという名が、どうやって
地祇系と結びついたのかは
まだまだわかりませんので

今後も、カモ考を
つづけてゆこうと思っています。

参照動画(フトマニ)

葛城めぐり12 へ つづく


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