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葛城めぐり10 葛木坐火雷神社

葛木坐火雷神社の境内奈良

葛木坐火雷神社

葛城一言主神社から
北へ3キロほどゆくと

葛木坐火雷神社
(かつらきにいますほのいかづちじんじゃ)
があります。

「葛城(葛木)」の地に
鎮「座(坐)」する
「火雷神(ほのいかづち)」
を祀る神「社」

という意味のようですね。

葛木坐火雷神社の境内案内図

火雷神

古事記によれば、
イサナミ(伊弉冉尊)のからだに
生じた雷神だといいます。

妻・イサナミを
夫・イサナギ(伊弉諾尊)は
黄泉の国まで追いかけるのですが

於頭者大雷居
於胸者火雷居
於腹者黑雷居
於陰者拆雷居
於左手者若雷居
於右手者土雷居
於左足者鳴雷居
於右足者伏雷居
幷八雷神成居

古事記 上巻
「
頭には大雷(おおいかづち)
胸には火雷(ほのいかづち)
腹には黒雷(くろいかづち)
陰部には柝雷(さくいかづち)
左手には若雷(わきいかづち)
右手には土雷(つちいかづち)
左足には鳴雷(なるいかづち)
右足には伏雷(ふしいかづち)
あわせて8つの雷神がいた
」

イサナミのからだには
8つの雷神がまとわりつき
むざんな姿だったといいます。

この、
8つの雷神の総称を
火雷神(ほのいかづち)
というようです。 

葛木坐火雷神社の境内

北野天満宮

学問の神さまともいわれる
菅原道真(すがわらのみちざね)
を祀る天満宮の

総本社とされる
北野天満宮(きたのてんまんぐう)
はもともと

火雷神を祀る神社だった
といいます。

平安時代には
祟り神を祀るという
御霊(ごりょう)信仰がひろがり

平安京をおそう落雷を
菅原道真の怨霊にちがいないとして

雷除けの神とされる
火雷神を祀る地に
菅原道真を祀ったのが

北野天満宮のはじまり
のようです。

ウツロヰ

ホツマツタヱでは
火雷神にあたるかたは

空・風・火・水・土
の5大要素のうち

もっとも神格がたかく
空(ウツホ)を司る

ウツロヰという
自然神のようです。

新仏習合の時代には
大将軍神(たいしょうぐん)
という仏神としても
祀られたようです。

ただ、そんな
ウツロヰ・火雷神が

なぜこの地に祀られたのかは
よくわからないようです。

葛木坐火雷神社の大砲
日露戦争時のロシア製大砲

火神

けれども、
葛木坐火雷神社では
「雷の神」ではなく

「火の神」として
祀られているといいます。

ご由緒にも、火の神・
カグツチ(火之迦具土神)
同じ神であるとあります。

こちらは、
空・風・火・水・土の
五大要素のうちの

火(ほ)を司る自然神
ですから

厳密にいえば、
まったく違う神さまが

ここでは同じ神として
祀られているようですね。

火を使う職業、
飲食・製造関係や
工場・消防所などで
働くかたがたの崇敬を
あつめているといいます。

葛木火雷神社のご由緒

名神大社

かつて、神社には
社格(しゃかく)という
格式があったらしく

霊験が著しい神社はとくに
名神大社(みょうじんたいしゃ)
といわれていたようです。

葛城地方では

鴨都波神社
葛木御歳神社
葛木一言主神社
・葛城水分神社
・高天彦神社
高鴨神社
・片岡神社
・火幡神社
・葛木火雷神社

があげられるといいます。

今回の葛城めぐりでは
このうちの5社をまわった
ことになります。

笛吹神社

葛木坐火雷神社は、
笛吹(ふえふき)神社
ともいわれるようです。

もとは別々の神社だった
ようですが

平安時代に
葛木坐火雷社が
衰退したらしく

近隣にあった
笛吹社の末社となった
そうです。

しかし、
明治時代になると
笛吹社に合祀されて

社名も
かつて神格の高かった

「葛木坐火雷神社」のほうが
つけられたようですね。

葛木坐火雷神社の境内

笛吹連

笛吹神社の祭神は
天香山命(あめのかぐやま)
というようです。

笛吹神社というように
笛吹連(ふえふきのむらじ)
という一族が
この地に暮らしていたようですが

その、
笛吹の祖神にあたる
天香山命を祀ったのが
笛吹神社のはじまりのようです。

第10代・
崇神(すじん)天皇の世には
反乱がおきたそうですが

その鎮圧で活躍した
櫂子(かじし)という人物が

崇神天皇より
天磐笛(あめのいわぶね)
をたまわるとともに

笛吹連の名を
あたえられたようですね。

ですから、こちらは
笛・フルート・尺八など
楽器の上達を願うかたの
崇敬が篤いようです。

葛木坐火雷神社の瓦

笛吹神社古墳

本殿のさらに奥には
笛吹神社古墳があります。

このあたりは、
笛吹古墳群といって
80基ほどの古墳が
あるようですが

こちらの古墳はその
東端にあたる円墳だそうです。

笛吹連の祖・
櫂子の父にあたる
建多析命(たけたおり)の墓
だと伝わるといいます。

葛木坐火雷神社境内にある笛吹神社古墳の案内板

御百度石

こちらの神社で、
ふしぎな体験をしました。

鳥居からはいってすぐ
御百度石(おひゃくどいし)
という磐座があるのですが

鳥居のまん中から
この石にかけての直線上に
手をかざすと

びりびりと
電気が走る感覚がありました。

まるで、
銭湯の電気風呂にでも
入っているかのように

はっきりとしびれたので
すごくすごく驚きました。

葛木坐火雷神社の大砲

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