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検証誌133号 シワカミ考

検証ほつまつたゑ133号論考「シワカミ」検証ほつまつたゑ

検証ほつまつたゑ

ホツマツタヱ研究の専門同人誌・
『検証ほつまつたゑ よみがえる縄文叙事詩』

第133号(令和6年6月号)には
小説とあわせて論考も掲載いただきました!

NAVI旅07でとりあげた
志波彦神社のご祭神ついて

「シワカミホツマ」という
語句から検証してみました。

検証ほつまつたゑ133号論考「シワカミ」

シワカミ考 ~磯輪上秀真と志波彦神~

NAVI旅07
志波彦(しわひこ)神社では

「志波彦大神とは
オシホミミのことと考えられます」
と書きました。

けれども、ホツマツタヱには
「シワヒコカミ」や「シワヒコ」
という記述はありません
から

これを直接に
天照大神の御子オシホミミと
結びつけることはできません。

ホツマツタヱにあるのは
「シワカミ」という記述です。

天照大神の孫ニニキネの
治めた国を称える
磯輪上秀真(シワカミホツマ)
という言葉に使われています。

ホツマ

「ホツマ」とはもともと
「東国(東日本)」
をあらわす語句でしたが

のちに
「ホツマ国」となって
「関東地方の国名」となります。

そこから
東国を治めた豊受大神
関東に都を築いたニニキネ

「秀でた治世や真っ直ぐな心」
を意味するようにもなりました。

やがて
治政が通った国という意味で
「日本をあらわす国号」
にもなったようです。

『ホツマツタヱ』
「ホツマ」もここからきており
「日本の治世(歴史)を伝える書」
という意味もあります。

また「ホツマ」には
「穂(ホ)摘(ツマ/積)」の意味もあり
稲の収穫をあらわしています。

全国各地で稲作をおこなう国
という意味もあるようです。

シワカミ

「シワカミ」は
とても難解な語句です。

「ホツマ」を称える
形容詞や枕詞的に使われるものの
その意味は複数あるようです。

おおきな意味としてはこれを
「下(シ)地(ワ)上(カミ)」
と解することで

「地上」「この世」
と訳すようです。

すると
「磯輪上秀真」とは
「天上世界を地上に写したような理想の国」

という意味になります。

「シワカミ」に
「磯輪上」の漢字を宛てているのは
日本書紀ですが

この由来も
ホツマツタヱから辿ることができます。

それは
編さん者のオオタタネコが

序文のなかで詠んだ
2首の歌によるようです。

しわかみの こころほつまと なるときは
はなさくみよの はるやきぬらん

いそのわの まさごはよみて つくるとも
ほつまのみちは いくよつきせじ

ホツマツタヱオノブ

どちらも
「ホツマ」を称える歌ですが、

2首の初句である
「シワカミ」と「イソノワ」から
「磯輪上」の漢字が合成された
ようです。

2首は対となる歌ですから
掛詞にはなっていますが

「磯輪上」の表記には
「シワカミ」の本来の意味は
含まれていないのでしょう。

そこで
「シワカミ」を
「シワ神」と解することにして
「シワ」の意味に迫ってゆきたいと思います。

シワ

ホツマツタヱにおける
「シワ」の用例はほかに

「シワ(皺)」
「シワス(師走・十二月)」
「マシワル(交わる)」

などがあります。

これらは
交合や出産にかかわる言葉です。

「師走(しわす)」とは
「子種(し)が走る」からきており

男児は受精からおよそ
「十二月」で産まれるとされていました。

また
受精して細胞分裂がはじまることを
「シワ(皺)する」ともいったようで

これが激しくなる時期を
「シワサラニキル(皺さらに切る)」といい
「如月」の由来にもなっています。

だとすれば、
天照大神と瀬織津姫の念願の男児である
オシホミミのことを

「シワカミ」もしくは
「シワヒコ」と称えたのかも
しれません。

おふたりが説いた
伊勢(妹背)の道
オシホミミからはじまっています。

オシホミミ

鹽竈神社のHPによれば
志波彦神の「シワ」は「物のシワ」であり
「端」をあらわす言葉だといいます。

大和朝廷による統治範囲の北端
という意味があるそうです。

また志波彦神には
農耕守護の神徳もあるといいますが

これは
「シワ」からは判別できない神徳であり
この地域の伝承によるようです。

「オシホミミ」という名は
藤岡の端のオシホ井で産まれたことに
由来するといいます。

「オシホ」
「奥まったところ」や「後から生まれた嫡男」
の意味があり

「ミミ」
「端」や「御子」を意味するようです。

「ホ」は
「穂」にも掛かっており

世継ぎというだけでなく
豊穣も意味しています。

このようにみれば
「シワカミ」も「オシホミミ」も
地上に生まれた念願の嫡男
という意味となり
ほぼ同義語といえるようです。

「シワカミ」を
「オシホミミ」と解すれば

「シワカミホツマ」とは
「オシホミミの子で関東地方を治めたもの」
という意味になります。

あえて「シワカミ」と表記したのは
「天照大神の嫡男の直系」という意味を
強調したからではないでしょうか。

「ホツマ」の冠に
「シワカミ」を飾ることは

天照大神とオシホミミの功績により
「ホツマ」が成ったことを
「伝え」ているのかもしれません。

(おわり)

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