引っ越し作業中

伊勢めぐり5 天の岩戸

恵利原の水穴三重

天の岩戸

伊勢神宮(いせじんぐう)の
内宮(ないくう)と

志摩(しま)国の
伊雑宮(いざわのみや)

むすぶ街道の
ちょうど中間あたりに

天の岩戸(あまのいわと)
という史跡があります。

天の岩戸の鳥居

恵利原の水穴

神祠や鳥居はあるのですが
「神社」というよりは
「史跡」であるようで

恵利原の水穴(えりはらのみずあな)
といわれる

水が湧く洞窟を
天の岩戸の聖蹟としている

ようです。

この水は
名水百選のひとつにも
指定されているといいます。

天の岩戸の小川

天岩戸神話

天岩戸神話とは
皇祖・天照大神が

弟・ソサノヲ(素戔嗚尊)
もめてしまい

磐にかくれてしまった
という事件のことです。

神々はなんとかして
天照大神を磐からだそうと
作戦を考えたようです。

くわしくは
こちらの動画をご覧ください。

恵利原の水穴では
例祭のおこなわれる

11月23日(新嘗祭の日)
の前後になると

水の湧きだす穴の奥を
太陽が照らすのだそうです。

そうしたことから、ここを
「天の岩戸」といったようですね。

天の岩戸の参道
天の岩戸の由緒

石灰洞

ただ、ここは
岩戸や岩穴ではなく
洞穴であるらしく

石灰質でできた
石灰洞(せっかいどう)
という洞窟だといいます。

いわゆる
鍾乳洞(しょうにゅうどう)
のことだそうです。

天の岩戸の鳥居

水穴のある
恵利原地区には

ほかにも
5つほどの洞窟が
見つかっているらしく

石灰洞穴群を
築いているそうです。

太古は海の底であった
石灰岩質の地にあるため

地下水などにより
内部が分解・溶解して
削られてゆくので

石灰洞などが
できやすいといいます。

こうした土地を
カルスト地形
というようですね。

天の岩戸の由緒

滝祭窩

こちらが、
水源となっている
恵利原の水穴です。

恵利原の水穴

水穴からは
竹筒がのびていて

水を汲みとれる
ようになっています。

ミツハノメの碑
罔象女大神(みつはのめ)の碑

穴の入り口は
高さ1メートル
幅80センチほど
だといいますが

奥にゆくほど
ひろがってゆくらしく

10数メートル先には
落差3メートルほどの
瀧があるのだといいます。

そこには、水の神
泣沢女神(なきさわめ)
美都波女神(みずはのめ)

が祀られているらしく

滝祭窟(たきまつりのいわや)
とよばれているようです。

瀧祭巖の碑

水穴のとなりには
神祠もあり

泣沢女神(なきさわめ)
罔象女神(みつはのめ)

猿田彦大神(さるたひこ)


を祀っているようですね。

雨乞いのご利益もある
というようです。

天の岩戸の本殿

高天原

恵利原の水穴の
湧水量は1日あたり
3万1千トンだそうです。

この水は
神路山(かみじやま)
にきずかれた

神路(かみじ)ダム
にそそがれると

神路川(かみじがわ)
[磯部川]をとおって
ふもとの地を潤すようです。

神路山は、別名を
天照山(あまてるやま)
神垣山(かみがきやま)

ともいうようですね。

地元ではこのあたりを
高天原(たかまのはら)
ともよぶのだそうです。

恵利原の水穴の石碑

猿田彦の祠

猿田彦大神(さるたひこ)は
道案内の神として知られていますが

恵利原の水穴から
さらに山道をすすんでゆくと

猿田彦の祠という
ご神木を祀る聖地へ
つづくようです。

天の岩戸の樹々と光

こちらは
伊勢と志摩をむすぶ
逢坂(あふさか・おうさか)峠
のすぐちかくにあたり

伊勢にくだる
島路川(しまじがわ)

志摩にくだる
神路川(かみじがわ)

分水嶺の地にも
なっているようです。

水の道案内ということで
猿田彦が祀られるのでしょうか?

大沢の風穴の参道

大沢の風穴

恵利原の水穴には
奥宮ともいえるような

大沢の風穴(おおさわのふうけつ)
があります。

こちらも、
山道をすすんでゆきます。

大沢の風穴の参道

谷の中腹あたりに、
ぽっかりと穴があいており

冷たい風が
コホオオオオオ……と
そよいでいました。

大沢の風穴

きっとこれも
洞窟なのでしょう。

風穴のまわりも
磐でできているようですが

土や樹々に
覆われています。

大沢の風穴

この穴にも
はいってゆけばまた

美しい鍾乳洞の世界が
ひろがっているのでしょうか?

だとすると、
天の岩戸というより

イサナギの
黄泉くだり神話のほうが
近いのかもしれません。

大沢の風穴

とても居心地がよく
空気も澄んでいて
本当に素敵な場所でした。

森林浴というか
清流浴というか
磐座浴というか

そういった自然を
全身に浴びてすっかり
ご機嫌になってしまいます。

大沢の風穴の参道

雄の鸚鵡岩

磯部郷土史によると
鸚鵡岩には雌雄があって

雌の鸚鵡岩は
和合山の鸚鵡石であり

雄の鸚鵡岩は
高天原にあるのだそうです。

これは、神路ダムにある
お獅子岩のことかもしれませんが

恵利原の水穴のこと
だとすれば

水穴の巌や
風穴の巌を
鸚鵡岩といって

洞窟だから
なかでつうじているので
声が届くはずだというような
伝承があったのかもしれませんね。

天の岩戸の小川

ミキモト

パール・ジュエリーの
ミキモトの創業者である
御木本幸吉(みきもとこうきち)
の崇敬も篤かったようで

御木本氏によって
参道の整備などが
おこなわれたといいます。

志摩の海産物商人となり
国産真珠の養殖で
財を成したかただそうですから

豊かな海をささえる
水源の地ということで

天の岩戸こと
恵利原の水穴を
称えたのでしょうか?

ほかにも、参道には
足形跡遺跡という磐座や

オオシマザクラ[岩戸桜]
という桜の木もあるようですね。

かえり道では
ちいさな蟹も見つけました。

ご参拝中だった
のかもしれませんね😊

天の岩戸の蟹

所在地

天の岩戸(恵利原の水穴)
〒517-0209 三重県志摩市磯部町恵利原

伊勢めぐり6

全記事リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました