伊吹山
日本最古の歴史書である
古事記(こじき)や
日本書紀(にほんしょき)にも
記述がのこっている
伊吹山(いぶきやま)
に登ってきました。
![伊吹山の登山道](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img1.jpg)
標高は滋賀県最高峰の
1377メートルであり
山域は全体が
琵琶湖国定公園に
指定されているといいます。
日本列島のほぼ中心にあたり
古代より日本の東と西をむすぶ
交通の要衝だったようです。
![伊吹山の登山道](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img2-768x1024.jpg)
古代
ふもとには縄文時代から
ひとびとが住みついていたと
いわれるようです。
古事記・日本書紀には
第12代・
景行(けいこう)天皇の子・
ヤマトタケ(日本武尊)が
この山にすむ
イブキドヌシ(気吹戸主神)
という神に戦いを挑んで
返り討ちにあった
という話が残るようです。
![伊吹山と麓のまち](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img3.jpg)
中世
飛鳥時代には
修験道の祖といわれる
役行者(えんのぎょうじゃ)や
白山(はくさん)をひらいた
泰澄(たいちょう)も訪れたらしく
奈良時代には
山岳信仰の聖地としても
栄えたようです。
平安時代には
密教(みっきょう)ともむすびついて
修行の地にもなったようです。
![伊吹山の風景](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img4.jpg)
近代
昭和2年には、積雪量が
11・82メートルとなり
これは、現在でも
積雪量世界一位を
記録しているといいます。
![伊吹山の登山道](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img5.jpg)
さまざまな歴史はあるものの
登っているあいだは
ただひたすらに
素晴らしい景色を堪能しました。
![伊吹山と麓のまち](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img6.jpg)
山頂
山頂で迎えられた
この御山の息吹のような風は
すべての迷いを吹き飛ばし
生きることそのものを肯定されるような
力強いものでした。
イブキドヌシ
伊吹山に棲むといわれる
気吹戸主神(イブキドヌシ)は
大祓詞(おおはらえのことば)
にも登場する霊験あらたかな神さまです。
![伊吹山山頂のイブキドヌシの像](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-ibukidonusi-768x1024.jpg)
古事記では猪、日本書紀では蛇の姿
伊吹山を平定しようとした
ヤマトタケ(日本武尊)は
イブキドヌシの返り討ちにあい
その傷がもとで亡くなってしまいます。
猛々しい逸話ばかりの
ヤマトタケを
死に追いやるほどの力をもった
イブキドヌシが棲む
伊吹山ですから
ここは日本屈指の
パワースポットともいわれるようです。
![伊吹山山頂の日本武尊の像](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-yamatotake.jpg)
実際に登ってみると
その力やエネルギーのようなものを
ひしひしと感じることができました。
![伊吹山と琵琶湖](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-img7.jpg)
多多美比古
遠くに
竹生島(ちくぶしま)
も見えています。
近江国風土記(おうみのくにふどき)
によれば
浅井岳(あざいたけ)の姫神と
伊吹山の男神が
高さくらべしたところ
一晩のうちに
浅井岳が頂上を高くしたので
怒った伊吹山の男神が
浅井岳の神の首を斬ったといいます。
![伊吹山の一等三角点](https://navihico.com/wp-content/uploads/2022/10/mount-ibuki-elevation-768x1024.jpg)
伊吹山の男神は
多多美比古命(たたみひこ)
という鍛冶の神だそうです。
「伊吹」は「息吹」でもあり
「ふいご」のことかもしれません。
かつてここは製鉄・
「たたら」で栄えたといいます。
タタミヒコはもしかすると
タタラヒコだったのでしょうか?
製鉄民
浅井比売命(あざいひめ)
が暮らした浅井岳は
いまでは、
金糞岳(かなくそだけ・きんぷんだけ)
というそうです。
「金糞」というのは
製鉄の際に出てくる廃棄物
「金屎(かなくそ)」に
由来するといいます。
浅井氏と伊吹氏
金糞岳(浅井岳)は
戦国大名の
浅井長政(あざいながまさ)など
浅井(あざい)氏の里
でもあるといいます。
ですから、
近江国風土記のはなしとは
伊吹氏と浅井氏による
勢力(製鉄)争いがあった
ことを記したのかもしれません。
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