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検証ほつまつたゑ115号 大祓詞

検証ほつまつたゑ

検証ほつまつたゑ

ホツマツタヱ研究の専門同人誌
『検証ほつまつたゑ よみがえる縄文叙事詩』
に記事を掲載いただきました!

創刊20周年を迎えるという
歴史ある研究誌です。

ぼく自身も、かねてより
ホツマツタヱの勉強のため
購読していたのですが

まさか、こうして記事を
掲載いただけることになるなんて
本当に驚くべきことで
ちょっと現実感がないほどです。

ホツマツタヱ検証誌115号

第115号

掲載いただいだのは
第115号(令和3年6月号)です。

6月という時節にあわせて
夏越大祓(なごしのおおはらえ)
がテーマということで

日本最大の祝詞である
大祓詞(おおはらえのことば)
ホツマツタヱからひもといた記事
とりあげていただきました。

ということで、こちらでも
記事の全文を掲載したいと思います。

ホツマツタヱで読み解く『大祓詞』

6月末と12月末の
大祓神事でとなえられる祝詞を
「大祓詞(おおはらえのことば)」
というそうです。

約1100年前にまとめられた
『延喜式(えんぎしき)』にのこる

『六月晦大祓(みなづきのつごもりのおおはらえ)』
がいまに伝わるといいます。

さまざまな解釈や
派生のある大祓詞ですが

ここでは、
ホツマツタヱからみてみたいとおもいます。

ここには、
出雲の歴史が語られているようでした。

『大祓詞(中臣祓詞)』

高天原爾神留坐(たかまのはらにかむづまります)
朝廷にいらしゃいます

皇親神漏伎神漏美乃(すめむつかむろぎかむろみの)
両神・イサナギとイサナミの

命以弖(みこともちて)
勅命によって

八百萬神達乎(やほよろづのかみたちを)
おおくの諸大臣たちを

神集集賜比(かむつどへにつどへたまひ)
よびあつめて

神議議賜弖(かむはかりにはかりたまひて)
議会をひらくと

我皇孫命波(あがすめみまのみことは)
生まれいでた御子・天照大神を日継として

豊葦原乃水穂之國乎(とよあしはらのみづほのくにを)
中央政府がある瑞穂の豊かなこの国を

安國止(やすくにと)
心安き国として「ヤスクニ」とあらため
富士山麓のヤスクニ宮で皇位を継ぐことを


平久所知食止(たひらけくしろしめせと)
世にひろく伝えるようにと

事依志奉伎(ことよさしまつりき)
おっしゃったのでした。

如此寄志奉志國中爾(かくよさしまつりしくぬちに)
こうして治まった諸国のなかに

荒振神等乎波(あらぶるかみどもをば)
乱れた国守(くにかみ・役人)がいたので

神問志爾問志賜(かむとはしにとはしたまひ)
朝廷にて聴収をおこない

神掃掃賜比弖(かむはらひにはらひたまひて)
流離(さすらい)刑として

語問志(こととひし)
裁きました。

磐根樹立草之垣葉乎毛(いわねきねたちくさのかきはをも)
岩・樹・草などの魂(霊)にいたるまで ★注釈1

語止弖(ことやめて)
しずかに治まったので

天之磐座放(あめのいわくらはなち)
天照大神はヤスクニ宮(玉座)をでて

天之八重雲乎(あめのやへぐもを)
天村雲命(あめのむらくも)など
諸大臣を日夜見(ひよみ)として


伊豆乃千別爾千別弖(いづのちわきにちわきて)
伊勢の地をひらいて

天降依志奉支(あまくだしよさしまつりき)
住まわれました。

如此依左志奉志(かくよさしまつりし)
こうして、伊勢から政治をとるようになると

四方之國中登(よものくになかと)
九州・四国・中国・北陸地方と

大倭日高見之國乎(おほやまとひたかみのくにを)
近畿・東北地方を

安國止定奉弖(やすくにとさだめまつりて)
中央政府のもとに治めて

下津磐根爾(したついはねに)
土台をしっかり築いたうえに

宮柱太敷立(みやばしらふとしきたて)
太い柱を立てて宮を築くように

高天原爾(たかまのはらに)
朝廷の治世は

千木高知弖(ちぎたかしりて)
高い屋根が遠くまでみえるように
ひろく知れ渡りました。

皇御孫之命乃(すめみまのみことの)
しかし、天照大神の

美頭乃御舎仕奉弖(みづのみあらかつかえまつりて)
すばらしい宮につかえた

天之御蔭(あめのみかげ)
天照大神の正后・瀬織津姫(せおりつひめ)と

日之御蔭止(ひのみかげと)
天照大神の后・速秋津姫(あきつひめ)によって ★注釈2

陰坐弖(かくりまして)
隠れてしまったものもあったようです。

安國止平氣久所知食武(やすくにとたひらけくしろしめさむ)
心安い国とおだやかに治まっていたその

國乃中爾成出武(くにちになりいでむ)
国のなかにあらわれた

天之益人等我(あめのますひとらが)
天忍日命(あめおしひ)という
根国の益人(長官)らが

過犯家牟(あやまちおかしけむ)
過ちをおかしました。

雑々罪事波(くさぐさのつみごとは)
その罪というのは

天津罪止(あまつつみと)
朝廷(身内)の罪でいうと

畔放(あはなち)
田の畔(あせ)を壊して作物を枯らす罪

溝埋(みぞうめ)
田の溝(みぞ)を埋めて作物を枯らす罪

樋放(ひはなち)
田の樋(とい)を壊して作物を枯らす罪

頻蒔(しきまき)
田に種を二度蒔きして作物を枯らす罪

串刺(くしさし)
田の串(柵)をずらして田と田の境をみだす罪

生剥(いけはぎ)
生かしたまま他人の財産を脅しとる罪

逆剥(さかはぎ)
身ぐるみをはいで他人の財産をうばう罪

屎戸(くそへ)
田の肥やしを田以外にまく罪

許々太久乃罪乎(ここだくのつみを)
これらたくさんの罪を

天津罪止法別氣弖(あまつつみとのりわけて)
朝廷の罪(民事)として法のもとに裁き

國津罪登八(くにつつみと)
諸国の罪とは

生膚斷(いきはだたち)
殺人の罪

死膚斷(しにはだたち)
強盗殺人の罪

白人(しらひと)
シラヒトの犯した罪

胡久美(こくみ)
コクミの犯した罪であり、それというのは

己母犯罪(おのがははをかすつみ)
実母への相姦罪

己子犯罪(おのがこをかすつみ)
実子への相姦罪

母子犯罪(ははとことをかすつみ)
妻の連れ子を犯す罪

子母犯罪(ことははとをかすつみ)
妻の母を犯す罪

畜犯罪(けものをかすつみ)
獣の肉を食べる罪 獣と交わる罪(ヰツナミチ)

昆虫乃災(はふむしのわざはひ)
稲虫(いなむし)の害をまねく外患罪(キクミチ)

高津神乃災(たかつかみのわざはひ)
朝廷につかみかかるハタレ(反乱軍)を蜂起した罪
(アメヱノミチ・天狗・雷)


高津鳥乃災(たかつとりのわざはひ)
政権をとろうとするハタレ(反乱軍)を蜂起した罪
(ハルナハハミチ・鳥害)


畜仆志蟲物為罪(けものたふしまじものせるつみ)
家畜をころしてひとを呪う罪
(シムミチ・イソラミチ)


許々太久乃罪出武(ここだくのつみいでむ)
これらたくさんの罪(刑事)があったといいます。

如此出波(かくいでば)
このようなことが起こったので

天津宮事以弖(あまつみやごともちて)
朝廷での審議をもって

大中臣(おほなかとみ)
諸大臣らが

天津金木乎(あまつかなぎを)
采配をふるって

本打切(もとうちきり)
判決をとりきめ

末打斷弖(すゑうちたちて)
刑を執行しました。

千座置座爾(ちくらのおきくらに)
そんななか、
ソサノヲは1000座もの罪があり

置足波志弖(おきたらはして)
死罪で足りないぶんは

天津菅麻乎(あまつすがそを)
菅でつくった蓑笠をきる
流離(さすらい)の身に落とされて

本苅斷(もとかりたち)
髪をすべて抜かれ

末苅切弖(すえかりきりて)
爪をすべて剥がれ
いよいよ処刑されるかというそのときに

八針爾取辟弖(やはりにとりさきて)
恩情により減刑されたのは

天津祝詞乃(あまつのりとの)
瀬織津姫の詞によるのです。

太祝詞事乎(ふとのりとごとを)
この素晴らしい詞の

宣禮(のれ)
恩情をたたえましょう。

如此宣羅波(かくのらば)
こうして、ソサノヲが朝廷を追放されたのち

天津神波(あまつかみは)
朝廷の諸大臣は

天磐門乎押披弖(あめのいはとをおしひらきて)
天照大神がこもられた岩戸をおしひらいて
世に光をとりもどしたように


天八重雲乎(あめのやへぐもを)
わきあがった曲者を

伊豆乃千別爾千別弖(いづのちわきにちわきて)
天照大神の威光をもって道々に討ち払い

所聞食武(きこしめさむ)
天照大神の治世をひろめていった。

國津神波(くにつかみは)
地方の国守は

高山末(たかやまのすえ)
高い山のいただき

短山之末爾(ひきやまのすえに)
低い山のいただきにいたるまで

登坐弖(のぼりまして)
すべてのぼって

高山伊恵理(たかやまのいほり)
高い山に暮らす庵(仮屋)のひとびとや

短山伊恵理乎(ひきやまのいほりを)
低い山に暮らす庵(仮屋)のひとびとにいたるまで

掻別弖所聞食武(かきわけてきこしめさむ)
訪ねまわって不満(罪)はないかと話を聞いた。

如此所聞食弖波(かくきこしめしてば)
こうして訪ねまわったので

皇御孫之命乃(すめみまのみことの)
天照大神の

朝廷乎始弖(みかどをはじめて)
朝廷をはじめ

天下四方國爾波(あめのしたよものくにぐにには)
天下の諸国から

罪止云布罪波不在止(つみといふつみはあらじと)
罪という罪はなくなった。

科戸之風乃(しなとのかぜの)
それは、シナトベのおこす風のように

天八重雲乎(あめのやへぐもを)
不穏なおもたい雲(隈)を

吹掃事之如久(ふきはなつことのごとく)
吹き払うようだった。

朝之御霧夕之御霧乎(あしたのみぎりゆうべのみぎりを)
明方や夕方の霧(憂鬱)を

朝風夕風乃(あさかぜゆふかぜの)
朝の風や夕の風が

吹掃事如久(ふきはらふことのごとく)
吹き払うようだった。

大津邊爾居大船乎(おほつべにをるおほぶねを)
おおきな港に停泊するおおきな(おもたい)舟の

舳綱解放(へときはなち)
舳(船首)の綱をとき

艫綱解放弖(ともときはなちて)
艫(船尾)の綱をとくと

大海原爾押放事如久(おほうなばらにおしはなつことのごとく)
波風によって大海原に放たれていくようだった。

彼方之繁木本乎(をちかたのしげきがもとを)
みわたすかぎりの木々を

燒鎌乃敏鎌以弖(やきがまのとがまもちて)
焼き入れをした鋭い鎌で

打掃事如久(うちはらうことのごとく)
なぎはらうように(クサナギ)

遺禮罪波不在止(のこるつみはあらじと)
のこる罪(悔)はまったくないほどに

祓給比清給事乎(はらひたまひきよめたまふことを)
はらい清めてくださることはまるで

高山乃末(たかやまのすゑ)
高い山のいただき

短山末與利(ひきやまのすゑより)
低い山のいただきより

佐久那谷爾落多支都(さくなだりにおちたきつ)
滝のようになだれ速い川の瀬(せ)に落ちた天照大神が

速川能瀬坐須(はやかはのせにます)
階段を背(せ)から堕ちるほど見とれてしまったという正后・

瀬織津比咩止云神(せおりつひめといふかみ)
セオリツヒメ・ホノコが

大海原爾持出奈牟(おほうなばらにもちいでなむ)
おおきな罪であっても

山のうえから滝のいきおいをもって
大海原に解き放ってしまうようだった。

そして、瀬織津姫はそのとおり
マス姫モチコの罪をはらうべく
大海原(おほわだのはら・九州)へ
モチ姫を出航させられたのだ。

如此持出往波(かくもちいでいなば)
こうして追放されたモチコは

荒鹽之鹽乃(あらしほのしほの)
あらい潮にもまれて

八百道乃八鹽道之(やほぢのやしほぢの)
いくつもの潮路をたどり九州からのがれたというのは

鹽乃八百會爾坐須(しほのやほあひにます)
シホノヤホアイコ(潮八百会子)
という称え名もあり海の情報にもくわしく
天照大神ともたびたび顔を合わせる


速開都比咩止云神(はやあきつひめといふかみ)
ハヤアキツ姫アキコから

持加々呑弖牟(もちかかのみてむ)
モチコのその後の顛末が知らされることとなった。

如此可々呑弖波(かくかかのみてば)
顛末(カカンノンテン・起承転)を天照大神が知ると

氣吹戸坐須(いぶきどにます)
血気盛んな息吹をあげる

氣吹戸主止云神(いぶきどぬしといふかみ)
イブキドヌシが ★注釈3

根國底之國爾(ねのくにそこのくにに)
根国のサホコチタル国に攻め込んで

氣吹放弖牟(いぶきはなちてむ)
武力をふるった

此氣吹放弖波(かくいぶきはなちては)
こうして武力をふるったので

根國底之國爾(ねくにそこのくににます)
根国のサホコチタル国で流離の身となっていた

速佐須良比咩登云神(はやさすらひめといふかみ)
コマス姫ハヤコは

持佐須良比失弖牟(もちさすらひうしなひてむ)
姉であるマス姫・モチコ(モチサスラ姫)を失った

如此久失弖波(かくうしなひてば)
こうして失ったので

自今日始弖(けふよりはじめて)
いまからのちは

罪止云布罪波不在止(つみといふつみはあらじと)
つみという罪はすべてなくなり

祓給比清給事乎(はらひたまひきよめたまふことを)
祓い清めくださいませと申し上げることを

天津神国津神(あまつかみくにつかみ)
朝廷の諸大臣・地方の国守

八百萬神等共爾(やほよろずのかみたちともに)
おおくの守々とともに

聞食申須(きこしめせとまほす)
お聞きくださいますよう申し上げます。

★注釈1

『磐根樹立草之垣葉』を
「はねきね たちくさの かきは」とすると

ハナキネ(ソサノヲ)は
曲者(くせもの・くさ)を断ち
堅磐(かきわ)をきずいた

ともなりそうです。

★注釈2

ホツマツタヱには

みゆきなる てくるまのうち
せおりつめ あめのみかげ
あきつめは ひのみかげさす
いふきぬし くまのくすひと

まてにあり

ホツマツタヱ 8アヤ

とあり、天照大神は
ハルナハハミチ討伐のため

手車のうちに
天の御陰として正妻・瀬織津姫
日の御蔭として妃・速開都比咩
乗せていたといいます。

イブキドヌシとクマノクスヒも
左右に侍っていたようです。

陽(あ)・天照大神の
陰(め・正后)・瀬織津姫は
天の御蔭となるようです。

また、
天照大神からそそぐ光は瀬織津姫にあたり
瀬織津姫のうしろにいるものに影がかかることから

速開都比咩は
日の蔭となるようです。

★注釈3

      きみやさかにの
まかるたま せおりはまふつ
やたかかみ あきつくさなき
やゑつるき ときにいふきと
ゆえおとふ

ホツマツタヱ 8アヤ

ハルナハハミチを捕まえて接見するときに
天照大神は八尺瓊勾玉をもち
瀬織津姫はマフツの八咫鏡をもち
速秋津姫は草薙の八重剣をもっていたといいます。

イブキドヌシは
ハルナハハミチの話を聞いたようです。

まとめ

このように、多少強引ではありますが
ホツマツタヱとおどろくほど一致しているのでした。

大祓詞にはホツマツタヱが関わっているようですね。
(おわり)

出雲の万九千神社の鳥居
出雲市の万九千神社は
ハタレの総数・七十万九千からきているのでしょうか?

覚書き

ホツマツタヱに出会い
ホツマツタヱの旅をはじめて
ホツマツタヱの記事を書きはじめたぼくが

ホツマツタヱの最前線でもある
ホツマツタヱ研究誌に掲載いただけるとは
ほんとうに夢のようです。

ぼくのような、新参・若輩者を
あたたかく迎えいれてくださった
諸先生方・編集者のかたがたには
感謝しかありません。

また、全国の
ホツマツタヱ愛好家のかたがたに
ご拝読いただけることは

恐縮であるとともに
身の引き締まる思いです。

とはいえ、
あまり気負わず気張らず
いつものようにこつこつと
続けてゆけたらとも思っています!

今後とも、
よろしくお願いいたします。

参照動画

この記事をもとに、
大祓詞のYouTube動画もつくりました。
こちらも、ご参考いただけると幸いです。

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