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検証誌118号 歌壇

検証ほつまつたゑ118号のホツマ歌壇検証ほつまつたゑ

ホツマ歌壇

ホツマツタヱの研究同人誌・
『検証ほつまつたゑ よみがえる縄文叙事詩』には

読者が投稿した「歌」が掲載される
「ホツマ歌壇」のコーナーがあります。

和歌・短歌・長歌・俳句・自由歌など
五七調であればよいそうです。

第118号(令和3年12月号)には
ぼくの歌も掲載されましたので

当ブログでも
紹介させていただきます。

検証ほつまつたゑ118号のホツマ歌壇

今号のお題は『冬』で、
「夜」「北」あるいは
「寝」「根」「夢」「床」
を詠みこむことだそうです。

大股に

大股に 去りゆくきみの セーターの 毛糸にからむ 寒き夜の雪

早足にさってゆく
あるひととの別れの大きさと

毛糸にからんでいる
雪の結晶の小ささとを描いて

あたたかな懐かしい日々を
思い出しているような歌です。

紫の

紫の 君も駆けるや 北山の 雲居にわたる 天狗風かな

源氏物語では
紫の君にはじめて出会ったのは
北山の鞍馬寺だといいます。

まだ幼い彼女が
元気に駆けているさまと

鞍馬の天狗や
牛若丸が駆けているさまを
あわせて詠んでみました。

夢街の

夢街の うたかた通り 恋番地 細雪橋 街灯のした

夢「街」とはもちろん
夢で「待ち」合わせする
ふたりのことで

泡沫(うたかた)のような
あわい時間をともに過ごすため

夢の世界でおちあうための
住所を教えているという歌です。

ひとり寝の

ひとり寝の まにまにたどる 通い路に 咲きほこりたる つわぶきの花 

冬に咲く黄色いツワブキの花が
道しるべのように点々と咲いていて

夢世界の待ち合わせ場所まで
案内してくれているというような歌です。

土くれを

土くれを 積みて器を つくりたり 床しきひとの 手のうつくしさ

工房でろくろを回して
器を作っている女性を詠んだ歌です。

粘土のなめらかな美しさと
女性の手の美しさを対比させつつ

それが、
表面的な美しさではなく

ゆか(床)しさ、
土台(知識や経験)に
うらうちされたものである
ということを詠っています。

晴れやらぬ

晴れやらぬ 日にはカフェーの 壁みやり 猫を抱きたる 夢二の女

気持ちが晴れない日には
ひとりで喫茶店にでもはいって
ぼんやり考えごとにふけるのも
いいかもしれません。

そんなとき、ふと目をやると
竹久夢二の描いた女性と
その女性が抱く猫の絵が
壁に掛かっていて

なんだか夢心地になった
というような歌です。

大鳥居

大鳥居 すぎて烏の 声聞こゆ 熊野の夜も 星はまたたく

熊野本宮大社のちかくにある
大斎原(おおゆのはら)を詠んだ歌です。

大鳥居をくぐると
烏(からす)が鳴いていて

まるで、
八咫烏が声をかけている
ような気になりまして

空を見上げれば
美しい星空がひろがっていた
という歌です。


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