検証ほつまつたゑ
ホツマツタヱ研究の専門同人誌・
『検証ほつまつたゑ よみがえる縄文叙事詩』の
第135号(令和6年10月号)に
掲載いただきました!
今回は、拙書
『ゼロから始めるホツマツタヱ』
ができるまでを振り返ってみました。
(※連載小説のつづきは
次回136号に掲載いたします)
自著を語る ~ゼロから始めるホツマツタヱ~
令和6年9月9日
ホツマツタヱに残る行事でいえば
菊栗祝いの日に
拙書
『ゼロから始めるホツマツタヱ』
が上梓されました。
「ゼロから始める」とあるように
ホツマツタヱの入門書的な書籍となっています。
はじめにお話をいただいたのは
令和5年9月9日でした。
青葉城の本丸跡より
遠く広がる仙台平野を
ここが日高見国の中心地かと
眺めていましたら
スマートフォンに着信があったのです。
かざひの文庫の
磐﨑文彰社長からのご連絡でした。
ホツマツタヱの
初歩の初歩のような本を作りたい
と話していたところ
社会派イラストレーターの
牛嶋浩美さんや
検証ほつまつたゑ編集長の
原田峰虎さんから
ぼくの名が挙がったということでした。
旅先での思いがけない報せに
池の鯉のように口を
パクパクさせていたのを思い出します。
奮える指を落ち着かせながら
「ぼくで良ければぜひ挑戦してみたいです」
と返しました。
ですからここが
ゼロから始めるホツマツタヱの
ゼロ地点だったようです。
顔をあげれば
伊達政宗公の隻眼が
こちらを見据えていました。
9月とはいえ
まだ残暑厳しい日というのもあって
じっとりと汗も吹きだしてきました。
牛嶋浩美さん
牛嶋浩美さんと初めてお会いしたのは
「感動塾」という大阪の講演会でした。
清風学園の教諭であられた
重藤悦男先生の主宰する会であり
毎月新たなゲストを招いて
さまざまなお話をうかがうという
貴重なものです。
重藤先生はヲシテ文献にも明るく
みずからも勉強会を開いていらっしゃいます。
そうした関係でぼくも以前に
フトマニのお話をさせていただいた
ことがありました。
ぼくが公開している
YouTube動画のフトマニ解説を観た
重藤先生からお声掛けいただいたのです。
牛嶋さんは
「ヲシテアートで創造を楽しむ」
というお話をされるということで
ぼくも興味深く伺いました。
イラストレーター・絵本作家など
アーティストとして活躍されている
牛嶋さんは
縄文というテーマから
ホツマツタヱに出会うと
ヲシテ文字やホツマツタヱの教えを
さまざまな形で表現されてきたといいます。
そんな牛嶋さんの描く線は
まさに生命の躍動が感じられるもので
絵が動いているような
錯覚を起こすほどでした。
たった1本の線でも
世界を表現するというその姿に
アーティストとしての
しなやかな美しさを感じました。
思い切ってお声掛けすると
牛嶋さんもまた
ぼくの動画を観てくださっているとのことで
こうして奇しきご縁をいただいたのでした。
原田峰虎さん
検証ほつまつたゑ編集長の
原田峰虎さんとのご縁は
本誌115号までさかのぼります。
大祓詞の全編を
ホツマツタヱからひも解いた記事を
ブログにあげていたところ
検証誌にも掲載してみませんか?
とお話をいただいたのです。
ただのホツマツタヱ愛好家であったぼくが
歴史も栄誉ある検証誌に掲載いただくというのは
大変に恐れおおいことだったのですが
原田編集長は
温かく迎え入れてくださり
それ以後も寄稿者として
記事を掲載してみないかと
お声掛けくださったのでした。
ホツマツタヱの諸先生がたが
名を連ねる本誌に
浅学で新参者のぼくが
加わることはとても恐縮なことです。
しかしながら
ぼくのようなものが末席を汚すことで
よりおおくの方が
議論に参加しやすくなるのではないか
とも考えまして
尖兵を務めるような気持ちで
できるかぎり筆を尽くすことにしました。
そうするうちに今度は
本誌の編集者会議に参加しないか
と持ちかけられました。
ホツマツタヱの興味深いお話を
傾聴できるとなれば
萎縮よりも好奇心が勝りました。
ひとり遠方に暮らすぼくは
オンラインで参加させていただくことになりました。
今村聰夫先生
編集者会議には
『はじめてのホツマツタヱ』
の著者でもあります
今村聰夫先生も
参加されていました。
ほとんど独学のように
学んできたぼくにとって
今村先生のご著書は
航海における羅針盤であり
いつも進むべき道を
指し示してくれていました。
そうして日夜
敬愛してきた先生から
「NAVI彦さん」
と声を掛けていただき
ぼくはもう
天にも昇るような心地でした。
今村先生と実際に
お逢いすることができたのは
令和5年4月におこなわれた
「はじホツ春の修学旅行」でした。
ホツマツタヱの聖地
高島を巡る旅です。
今村先生、原田編集長、牛嶋浩美さんが
中心となったホツマツタヱの勉強会
「はじホツ」の旅企画です。
琵琶湖のほとりを巡るということで
近畿圏のかたがたも集まり
合同合宿のような旅となっていました。
磐﨑文彰社長
「はじホツ」の主宰者であり
今村先生や原田編集長や牛嶋浩美さんの
書籍を出版されている
「かざひの文庫」の
磐﨑文彰社長も参加されており
この旅でご縁を得ることができました。
とはいえ人見知りのぼくは
あまりお話を交わすこともできませんでした。
さらには飲みすぎて二日酔いとなり
周りにご迷惑を掛けながら旅を続ける
というという体たらくです。
ですからそんなぼくに
磐﨑社長からご連絡があろうとは
思ってもみないことでした。
令和5年9月9日
磐﨑社長から
「それでは進めてゆきましょう」
というお返事をいただき
書籍が動き始めました。
ほどなくして企画書が届きました。
タイトルもはじめは
『ゼロから始めるホツマツタヱ』
ではなく
『ホツマツタヱの基本のキ』
というものでした。
東西南北のはじめの「キ」
にも掛かっている
素敵なタイトルだなと思いました。
全5章の構成は初めから変わっていません。
第1章 ホツマツタヱとは何なのか?
第2章 ホツマツタヱの全章あらすじ
第3章 ホツマツタヱと記紀
第4章 ホツマツタヱと神社
第5章 ホツマツタヱでわかること
ここまで大筋を整えていただけたので
あとはコツコツと書き進めてゆくだけです。
ブログやYouTube動画で
書き溜めたものを転用すれば
比較的はやく書き上がるだろう
などと思っていたのですが
文字だけで伝えなければならない
書籍の難しさに直面すると
湯水のように時が流れてゆきました。
第1章
第1章は
ホツマツタヱの基礎知識について
解説しています。
ホツマツタヱは歴史書です
というところから話を始めてゆき
神代文字とは何なのか
縄文時代とはどんな時代であったのか
なぜ偽書とされているのか
どんな神さまが登場するのか
について語っています。
さらにそこから
「ヲシテ文字」「アワウタ」「フトマニ図」
など専門用語をひも解いてゆき
ホツマツタヱを味わううえで
必要な最低限のことをまとめました。
ホツマツタヱの全編を読まなくても
ホツマツタヱがどういう文献であるのか
人に話せるようになるという章です。
第2章
第2章は
ホツマツタヱの全40アヤを
各1ページにまとめるという
ダイジェスト版になっています。
各アヤを要点だけに絞ることで
ホツマツタヱの編纂者は
ここでなにを伝えたかったのかが
はっきりと見えてきます。
また各アヤのタイトルを
ヲシテ文字で表記してありますので
ヲシテ文字が実際
どのように使われているのかも
わかるようになっています。
第3章
第3章は
ホツマツタヱと
古事記・日本書紀の違いについて
10の時代にわけてみてゆきます。
①天地開闢
②国生み
③天岩戸
④国譲り
⑤天孫降臨
⑥海幸彦と山幸彦
⑦神武東征
⑧欠史八代
⑨神祀り
⑩日本武尊
という流れに区切ることで
時代ごとのおおきな違いが
浮き上がってきました。
ホツマツタヱが
記紀の原典であるとして
どのような改変が
どのような意図をもって
行われたのかが
わかる章になっています。
第4章
第4章は
全国各地の神社に祀られている
謎のご祭神について
ホツマツタヱからひも解いています。
鳥海山の大物忌大神が
豊受大神である理由や
廣田神社の向津媛命が
セオリツヒメである理由など
ホツマツタヱに残る神々の痕跡を
神社からたどる章です。
第5章
第5章は
ホツマツタヱからわかる
民間信仰や年中行事
さまざまな言葉の語源
についてまとめています。
ホツマツタヱの面白さは
過去の出来事を知るだけにとどまらず
現代へと繋がる可能性を
考察することにもあります。
言語や伝統のなかには
いま現在を生きるわたしたちにも連なる
歴史が深く深く刻まれています。
そうした日常生活のなかから
ホツマツタヱに触れてゆくという章になっています。
入門書とはいいながら
ホツマツタヱに詳しいかたも
内容の整理や早引きに使えるような
便利な一冊になれたらと思って作りました。
むしろぼく自身が
ホツマツタヱを学ぶさい
「こんな本があったら嬉しかった」
を形にしていったように思います。
ココリヒメ
心残りとしましては
入門書という観点から
おおくの神さまを
割愛してしまったことです。
なかでも心苦しいのは
9月9日にも縁が深い
ココリヒメ(菊理媛尊)
が登場していないことです。
栗名月ともいわれる
9月13日は
ぼくの誕生日でもありますから
個人的にも大変
崇敬している神さまです。
ワカヒメ・セオリツヒメとともに
ぼくのなかでは
3大女神のひとりと位置づけている
このかたを描けていないのは
手落ちといえます。
千晴さん
ホツマツタヱとの出会いは
2018年です。
その経緯は「はじめに」にも
すこし書いていますが
人生の底のほうにおりました。
起死回生を願って
伏見稲荷大社へ参詣して
稲荷山の
大岩大神の磐座に行きあたったことで
新たな世界が始まったような気がします。
ホツマツタヱを
初めてぼくに教えてくれたのは
検証ほつまつたゑの
ホツマ歌壇にも歌を投稿している
千晴さんです。
当時、千晴さんは
ホツマツタヱの原文を声に出して読む
という講座を行っていました。
かつて劇団を立ちあげていたぼくは
すこしでも表現活動に触れていたいという思いから
この講座を見つけて飛び込みました。
いまホツマ歌壇において
並びで歌を詠めているというのも
なんとも不思議でありがたいご縁だと思っています。
ホツマツタヱの輪
このように
ホツマツタヱの輪が
つぎつぎと繋がって
いまここに
『ゼロから始めるホツマツタヱ』
を出版することができました。
これはぼくひとりの力では
到底不可能でした。
たくさんのかたに応援していただいて
引き上げていただいて
形になったものです。
ぼくとしてはただただ
皆さまへの深い感謝を
述べさせていただくばかりです。
本当にいつもありがとうございます。
自著を語るこということで
自分語りをつらつらとしてしまいました。
これもまた
情感たっぷりに語られる
ホツマツタヱであれば
許されはしないでしょうか?
神々の物語の
あいまに流れる人間の情に
ぼくはいつも深く感銘しています。
どうかすこしでも
ご興味を持たれましたら
拙書
『ゼロから始めるホツマツタヱ』を
お手に取っていただけたらと思います。
(おわり)
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