出雲大神宮
京都市の西にある
亀岡(かめおか)へ
ゆきました。
ここには、
丹波国一之宮である
出雲大神宮(いずもだいじんぐう)
があります。
大国主命
「出雲(いずも)」
というように
島根県にある
出雲大社(いずもおおやしろ)
とおなじく
大国主命(おおくにぬし)
が祀られているといいます。
医療の神ともいわれる
少彦名命(すくなひこな)
とともに
『国づくり』を
行ったことで知られています。
元出雲
また、ここは
元出雲(もといずも)
ともいわれていて
「出雲」発祥の地
ともいわれるようです。
この地の伝承によれば
出雲大社は、もともと
杵築(きづき)大社
といわれていたようですが
出雲大神宮の祭神を
杵築大社に遷し祀った
ことから
出雲(いずも)大社
になったというようです。
ですから、
大国主命の御霊ももとは
出雲大神宮の地にあり
出雲という地名も
出雲大神宮からとった
ということで
元出雲(もといずも)
というようです。
国常立尊
また、出雲大神宮で
もっとも気になるのは
ご神体山・
御影山(みかげやま)にある
磐座(いわくら)です。
ここには、原初神・
国常立尊(くにとこたち)の
御霊が祀られているといいます。
天地開闢(てんちかいびゃく)
とともにあらわれた神とか
根源神(こんげんしん)
ともいわれ
あらゆる神の祖(おや・そ)
といえるかたです。
天照大神も、ご両親の
イザナキ・イザナミも
それ以前の神もすべて
国常立尊の子孫にあたります。
そんなかたの磐座が
出雲大神宮の神体山に
あるというのです。
神田
出雲大神宮の大鳥居は
千年宮鳥居(せんねんのみやとりい)
というようですが
鳥居のすぐ手前の東側に
神饌田(しんせんでん)
がありました。
秋の収穫を祝う
新嘗祭(にいさめさい)などで
神前に捧げるための
米を作る稲田のことで、
歴史もふかく
境内もひろいような
神社ではよく
ご神田(ごしんでん)が
設けられています。
青々とまっすぐに伸びた稲の
なんと美しいことでしょう。
神域として清められた
稲田のすがすがしさに
うっとりとしてしまいます。
ひとびとの「食」と
神社の関係はとてもとても
深いものがあるといいますから
今後はこうした、ご神田にも
目を向けてゆきたいと思います。
真名井
鳥居をぬけるとさらに
清浄でエネルギッシュな
空気がひろがっていました。
手水舎のとなりには
真名井(まない)の泉
がありました。
枯れることのない
御神水(ごしんすい)として
重宝されているといいます。
多くの方が
ペットボトルやタンクに入れて
持ち帰っていらっしゃいました。
湧き水のなかでも
清浄で高品質な水には
『真名井(まない)』
という敬称がつくそうです。
ここもまた、そんな
『真名井』を冠する水が
湧き出ているようですね。
本殿・拝殿
早朝というのもあって
穏やかで心地よい空気のなか
参拝することができました。
ご神体山・御影山に
いだかれるように建てられた
本殿・拝殿はまさに
ご神気に包まれているようでした。
拝殿は、
明治時代のものだそうですが
本殿の築造は
鎌倉時代や室町時代にまで
さかのぼるもので
旧・国宝であり
現・重要文化財だそうです。
こちらは、本殿のしめ縄ですが
独特な形をしているようです。
どうやら
『めおと綯(な)い』
という綯い方のようです。
これにも理由があるのでしょう。
三穂津姫命
本殿には、
大国主命(おおくにぬし)
とあわせて
三穂津姫命(みほつひめ)
も祀られているといいます。
社伝によれば
大国主命の后だそうです。
けれども、
ホツマツタヱによれば
ミホツヒメは
大国主命の后ではなく
大国主命の子である
クシヒコ(事代主命)の后
となっていますので
このあたりにも
古事記・日本書紀では
隠されてしまった歴史が
眠っているのかもしれません。
社伝によれば
三穂津姫がこの地にて
國常立尊の祭祀に務めたことから
大八洲國國祖神社
(おおやしまのくにくにのみおやのじんじゃ)
ともいうのだそうです。
玉石洗い
参拝後、本殿の脇で
「玉石洗い」という
清掃奉仕をおこなっている
ことに気づきました。
本殿の瑞垣内の
神域に敷かれている白石は
土ぼこりや苔で
汚れてしまうらしく
タワシで磨いて
綺麗にするという奉仕です。
とはいえ、
神域のものですから
神職のかたに
大幣(おおぬさ)で
お祓いをしていただいてから
磨いてゆきます。
白石は大量にあるうえ
小さな椅子に座りながらでは
体勢もきびしくて
20分もやれば疲れてきます。
けれども、
参加者には返礼がありまして
楽殿前で開催される
流しそうめんを
好きなだけ食べていいそうです。
夏休みらしい雰囲気を
神社参拝で体験できるとは
思ってもみませんでした。
つかわれているお水も
真名井の水でしょうか?
思いがけない
御馳走をいただきました。
磐座
さて、ここには
国常立尊の磐座だけでなく
素戔嗚尊(すさのお・ソサノヲ)
を祀る磐座もありました。
とても力強いお磐です。
境内には、ほかに
上の社(かみのやしろ)もあり
素戔嗚尊(すさのお・ソサノヲ)と
后・櫛稲田姫尊(くしいなだひめ)が
祀られていました。
出雲大神宮の祭神・
大国主命(おおくにぬし)は
ソサノヲとイナタヒメの子
にあたりますから
親神を祀っているのでしょう。
ご神体山・御蔭山には
たくさんの磐座があるらしく
境内にも、いたることろで
祀られていました。
御蔭の滝
御蔭の滝(みかげのたき)は
ご神体山・御影山の
水が流れる滝場ですね。
竜神乃神を
お祀りするといわれ
『いにしえより地域の源』
とされているといいます。
とりわけここは
心地の良いところで
ゆっくりと堪能しました。
古墳
本殿の背後の境内からは
古墳まで見つかっているようです。
出雲武式古墳(いずもぶしきこふん)
という円墳であり
墳丘の直径は
19メートルもあるようです。
第14代・
成務(せいむ)天皇の時代のもの
ともいわれるらし
大和朝廷との関わりも
深かったとみられるそうです。
おそらく、
当時この地をおさめた
首長の墓なのでしょう。
出雲と大和を結ぶ地
だったのでしょうか?
厳かな空気が漂っていますが
不思議と安心感もある場所です。
しっかりと
ご参拝させていただきました。
しゃくとり虫
さていよいよ、
国常立尊の磐座へ!
と、思ったのですが
先日(2018年8月当時)の大雨で
通行不可になっていました。
非常に残念ですが
まだ呼ばれていないということで
つぎの機会といたします。
けれども、こんな
ちいさな出会いもありましたので
気を落とさずにゆきますね!
(虫が苦手なかたは、ご注意ください)
またおいでと
慰められているようで
ありがたかったです!!
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